院長コラム
『ブリッジ』はブラック企業!?
2020年2月 梅新デンタルクリニック
院長 米村 幸城
3人分の仕事を、延々と、年中無休で、2人にやらせ続ける!過労死するまで!
いったい、どこのブラック企業のお話でしょうか?
いいえ、実は、私たちの身近に多数存在する事例です。お口の中の『ブリッジ』が該当します。
そもそも、『ブリッジ』とは、歯を抜歯!した後の治療法の一つです。
「抜歯!」の理由は、本当に様々ですが、、、。
たとえば、歯が1本失われた後に、両隣の歯を大きく削って、時には歯の神経まで抜かれて、『3本連結の銀歯』を被せるのが一般的ですね。
つまり、企業に例えるならば、1名リストラされた後、新たに求人することなく、残されたスタッフに、パワハラを加え、欠員分の仕事まで強引に要求する職場ですね。
おそらく、繁忙時のみの短期間でしたら、残されたスタッフも頑張ってくれるかもしれません。
しかし、エンドレスで他人の仕事までも、無理矢理負担させられたらどうでしょう?
まさに『ブリッジ』とは、そんな状態です。
一度入れた『ブリッジ』は、壊れるか、外れるか、歯根破折する等の不具合が発生(つまり過労死)するまで酷使されるのです。
もちろん、「人間の体力」や、「歯の状態」には、大きな個人差が存在します。
元気で体力に自信のある20~30代なら、24時間働いて、人の2~3倍の仕事量をこなすスーパーマンが、稀に存在するかも知れませんね。
はたして、40~60代になっても、可能でしょうか?
歯も全く同様です。
健全で負担能力に余裕のある歯も時に存在しますが、「虫歯」や「歯周病」で衰弱した歯の方が多いのが現実です。
さらに、大きく削られ、神経も抜かれるかも、、、。残酷物語の世界観で、平然と歯科治療は行われているのです。
つまり、『ブリッジ』とは、体力に自信のない人や持病を患う人にまで鞭を打ち、『欠員を補うため、余分に働け!』状態です。
ブラック企業も真っ青ですね。
もっと過酷な、4人分の仕事を2人にやらせる、6人分の仕事を2人にやらせる!
まさに開いた口が塞がらない超絶ブラックな症例も時々見られますね。
では、残された貴重な人材(歯)を過労死させずに、温存するにはどうしたら良いのでしょうか?
まず、仕事量(負荷)を軽減させることが最優先です。
つまり、硬い食べ物(煎餅・アメ・氷)や、噛み切るのに力が要る食材(スルメ・スジ肉・繊維性の野菜など)は出来るだけ避けるのが賢明です。
人材(歯)も、過酷な仕事は決して長続きしません!
さらに、生活環境・生活習慣の改善も大切です。
砂糖(糖類)の摂取を減らして、フロスや歯間ブラシ等で丁寧なお手入れをお願いします。
そもそも、貴重な人材(歯)を、これ以上失わない事が、一番重要!なのですから。
実は、『ブリッジ』は、保険・自費を問わず、歯科医院にとって、大きな収入源です。
【 抜歯 → ブリッジ 】に、誘導されやすいので、ご注意願います。
ならば、【 抜歯 → インプラント 】ならOK!でしょうか?
その答えは、当院ホームページの『インプラント周囲炎の恐怖!』の中にあると思います。